木造住宅は火事に弱いわけではありません

空気が乾燥する冬場は火事が多い季節です。

火事はその昔から人々に恐れられてきました。日本では今も「地震、雷、火事、親父」という成句が使われていることは、皆様ご存じのとおりです。

今回は、火災と住宅の構造について考えてみたいと思います。木造住宅は「火に弱い」というイメージを持たれがちですが、本当なのでしょうか？鉄骨造やRC造とあわせて解説します。

新しい基準で建てられている家は火災に強い

住宅建設に関わる法律や条令は年々、厳しくなっています。それに伴い、火災の発生件数も減少しています。しかも、発生原因のトップは失火ではなく放火。火災により失われた焼損面積も減っています。

厳しい基準により建てられる住宅は、もしも火が出てしまったとしても延焼をある程度防げるため、火災の発生件数も焼損面積も減少傾向にあるのだと考えられます。

火災に強い家の構造を考える前に、新しい基準で建てられている家ほど火災に強いということを、まずは押さえておきましょう。

「木造は火災に弱い」は誤り

このように、現代の基準で建てられる住宅は火に対する強さを持っています。しかし、構造的にはどうなのでしょうか？特に木造住宅の躯体には「木」が使われているわけですから、よく燃えそうなイメージがあります。しかし、実はそんなことはありません。

木だけで作られている木造住宅はあまりありません。一般的な木造住宅は金属やサイディング、石膏ボードなどの燃えにくい、または燃えない建材も使って建てられています。

そのため、「木造だから火災に弱い」ということはありません。

確かに木は燃えます。しかし、たとえ火がついてしまったとしても木には粘りがあります。木材の表面が燃えても、その内部までダメージが達することはほぼありません。そのため、たとえ火災が発生したとしても、木造住宅はなかなか倒れないのです。

鉄骨造やRC造は火災に強いのか？

それでは、鉄骨造やRC造（鉄筋コンクリート造）は火災に強いのでしょうか？

「鉄骨造やRC造の住宅は火災に強い」

と考えている人は多いと思います。

鉄骨造やRC造の家には、金属やコンクリートなど、構造には基本的に燃えない素材が使用されるため、火に対する強さがあります。木造住宅同様、内装材にも燃えにくい建材を使用すれば、かんたんに火がついてしまうようなことはないでしょう。

ただし、鉄骨造の場合は覚えておくべきことがあります。「鉄骨は熱に弱い」ということです。火災の際は、摂氏1100～1200℃まで建物内の温度が上昇するといわれています。しかし、鉄は摂氏600℃で通常の半分程度の強度になってしまいます。さらに高温にさらされると、鉄は溶けるような感じで曲がってしまいます。

そのため、鉄骨には通常、不燃材の吹き付け加工が施されていますが、実際に火災になってしまうと、状況により倒壊してしまうこともあるようです。

その点、RC造はかなり強く、火災で1000℃以上の高温にさらされてもある程度の時間、倒れることはありません。もっとも、このような高温にさらされればもろくなってしまうことは確かです。

火災に強い家とは避難までの時間がかせげる家

結局、木造の家でも鉄骨造の家でも、火の勢いが強ければ倒壊は免れません。火災に強い家は、木造や鉄骨造といった構造云々で決まるのではなく、耐火性能で決まるのです。

建築基準法では、柱や梁などの建物の主な構造部に、耐火性能に優れた部材を使用している建物を「耐火建築物」と定めています。耐火建築物は、1000℃を超える猛烈な熱が発生しても一定の時間は倒れることなく、建物の内部にいた人の避難を可能にする建物です。

RC造は鉄骨の周囲にコンクリートを固める耐火建築物のひとつです。鉄骨をモルタルで覆う「鉄骨モルタル造」、鉄骨をレンガやコンクリートブロックなどで覆う「鉄骨レンガ造」なども耐火建築物ですが、これらはどれをとっても柱が図太くなってしまうため、一般の戸建て住宅にはあまり採用されません。耐火構造は、現状ではマンションなどの集合住宅や商業施設など、比較的規模の大きい建物を中心に採用されています。

戸建て住宅の場合は防火構造も選択肢

ご紹介したように、耐火構造の戸建て住宅への採用には難しさがあります。しかし、外壁や軒部分に防火性能を持つ建材を使用し、外部からの延焼を防ぐ防火構造なら、戸建て住宅でも比較的かんたんに採用できます。

まとめ

火災に強い家の構造についてお話ししてきました。「木」を使っているので燃えやすいイメージがある木造住宅ですが、たとえ火災が発生したとしても、よほど燃えやすい内装材を使用していない限り、一瞬にして倒壊してしまうようなことはありません。

木には鉄骨にはない粘り強さがあります。表面が燃えても、内部までダメージが及ぶことはありません。

ヘッジ構法の木造住宅は、自然災害だけではなく、火災に対しても強さを持っています。

火災に強い木造住宅をお探しの方は、お気軽にヘッジハウスまでご相談ください。

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