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マイナス金利解除による住宅ローンの今後の展望

日銀はこれまでつづけてきたマイナス金利を解除することを決めました。これにより影響を受けるであろうと考えられるのが「住宅ローン」です。

家を建てることを考えている人に小さくないインパクトを与えるかもしれない住宅ローンの今後の展望について、専門家がどうみているのかチェックしてみたいと思います。

マイナス金利がついに解除

これまで日銀は、金融機関が日銀に預けている一部の預金口座の金利をマイナスに設定するマイナス金利政策をつづけてきました。これは2016年1月から始まった量的・質的な金融緩和の一環です。

マイナス金利の状態では、金融機関は日銀にお金を預けっぱなしにすると金利を支払わなければならなくなります。したがって金融機関はお金を預けっぱなしにせずに投資や企業への融資を行うようになります。日銀はマイナス金利政策によりデフレの状態を解消し、日本経済に活力を与えようとしていたわけです。

2023年の春に就任した植田総裁は、それから1年が経とうという2024年3月の金融政策決定会合にて、YCC(長期金利操作)の撤廃とともにマイナス金利政策を解除しました。

これにより黒田前総裁時代の2013年からつづけられてきた大規模金融緩和に幕が下ろされ、金融政策は言ってみれば「本来あるべき姿」に戻ることとなりました。

マイナス金利で住宅ローンはどうなる?

植田総裁就任の頃から、大規模金融緩和後の話題がインターネットでもひんぱんに見受けられるようになりました。そのなかで本当に多かったのが「住宅ローン」に関する記事だったと思います。日銀がマイナス金利解除を決めた直後にも関連する記事が多く掲載されており、これは多くの皆様が感心をもたれていることの表れだとも言えるでしょう。

そんな記事を参考に、専門家が住宅ローンの今後についてどう考えているのか紹介したいと思います。

「モゲチェック」は「変動金利は変わらない」と予想

住宅ローン比較サイトとして知られている「モゲチェック」の塩澤崇氏は、金融機関が牽制しあうことにより、変動金利が急に上がるようなことはないと考えているようです。

塩澤氏は住宅ローンの金利は短期プライムレートという基準金利で決まるとしたうえで、「過去の基準金利の動きから考えると、変動金利が引き上げられるのは政策金利が0.1%になってから」としています。

しかし、業界の横並び意識を考えると「変動金利がすぐに引き上げられるようなことはない」と考えているようです。

出典:東京新聞 マイナス金利解除で住宅ローンどうなる?

https://www.tokyo-np.co.jp/article/315886

さて、この記事は日銀がマイナス金利解除を発表してすぐに掲載された記事です。それから1ヶ月が経過し、実際はどうなっているのでしょうか?

一部銀行が短期プライムレートを引き上げ

住信SBIネット銀行は、4月17日に発表したプレスリリースで、円定期預金やローンの金利を改定することを発表しました。

そのなかで、2024年5月1日から短期プライムレートを年1.675%から年1.775%に引き上げるとしています。これにより住宅ローンの金利も引き上げられます。

4月21日付でYahoo! Japanニュースに掲載された高橋成壽氏の記事によると、住信SBIネット銀行はもちろんメガバンクではないものの、住宅ローンについてはメガバンク級の貸し出し残高があることに注目。高橋氏は、すでに楽天銀行が変動金利を引き上げていることとあわせ、ほかの銀行は今後、「状況を注視しながらシェアを広げるための策を打ってくるのではないか」としています。

出典:Yahoo! Japan ニュース

日銀のマイナス金利解除で始まった変動金利型住宅ローンの金利上昇と生活防衛の方法https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a2fb73092738b4439eecac52a3c9a50bb10b2095

これまでもマイナス金利政策の解除により変動金利型住宅ローンの金利は上がると言われてきました。そして今、実際に金利は上がり始めました。

しかし、だからといってこれがどんどん上がっていくわけではないでしょう。今の日本は高齢化、人口の減少もあり、とても活況とは言えない状況ですし、これからもバブルのような状況に大好転するような期待ももてない状況です。このような状況では、金利も大きく動くことはない、ということなのかもしれませんね。

現状、家を建てることに影響はない

長くつづいたデフレの時代から、インフレの時代へと向かっていく日本では不動産も資産として注目されます。しかし、長年夢見てきたマイホームは資産価値ではかれるようなものではありません。

住宅ローンの金利引き上げが始まっていますが、急に、しかも大きく引き上げられることは考えられない状況なので、現状、家を建てることに影響はないと考えていいでしょう。

まとめ

マイナス金利解除にともなう住宅ローンの現状や今後の展望を、専門家の話を参考に紹介しました。金融機関もビジネスですから、逆にシェアを広げるために金利引き下げなどのキャンペーンを仕掛けてくるなんてこともあり得るそうですよ。

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